2012年5月7日月曜日

囲碁プロ棋士の反則ってどのくらいあったのでしょうか。(時間切れ含めて) 将棋...

囲碁プロ棋士の反則ってどのくらいあったのでしょうか。(時間切れ含めて)



将棋の反則は結構多い気がするんですが、囲碁で反則をしたプロ棋士はあまり見ない気がします。







将棋・囲碁両方の観戦記者を勤める人のコラム(週刊将棋に連載中)によると、



「囲碁は禁じ手が将棋より遥かに少ないから反則が少ないと思われがちだが、囲碁も負けず劣らず反則が多い」

と書いており(正確な数までは書いていませんでしたが)、

タイトル戦での反則も珍しくない(書いてあるだけで4例)とのこと。

平成14年の王座戦では趙治勲王座(当時)が

「自分の秒読みを相手の秒読みを勘違いして」時間切れ負けしたそうです。



他に載っていたのが下の図の局面(部分図です)。

黒番が1に打ってAの白石が取れる。ここまでは囲碁をよく知らない自分でもわかりますが、

何を勘違いしたのかBの白石まで一緒に取ってしまって反則負け、

というとても珍しい反則(昭和56年の●苑田勇一九段-○王立誠六段戦、段位は当時)もあったそうです。








実際に記録に「反則負け」と残っているものとして、コウダテしないでコウを取る。2手打ち、打ち上げられない石をアゲハマにしてしまう。逆に打ち上げる石の取り残し。打った石がずれたままで対局が進行し、棋譜のうえでは、1度打った石の上に着手した場合、などがありますね。



※このうち、取るべき石の取り残しは、気がついた時点で取り上げればよいということに、現在の囲碁規約に明記され、それは反則ではなくなったのではなかったかしら。

これを反則にすると、「まだ、石を取り上げていないのは着手終了ではない。こちらが打ち終らないうちに相手が打つことこそが反則ではないか」という矛盾が生じるからです。



また、記録には残っていない反則として、意外や、堂々と待ったをしている、ということがあります。



大きなコウを争っているときに、何を勘違いしたのか半コウを取って、「違う、違う。こっちだ」と置きなおした棋士。

いまでは、対局規定として終局のダメツメも1手ずつとなっていますが、つい習慣で適当な順番にダメをつめて、アタリの状態なのに別なところに打ってから、「あ、それアタリか。」と置きなおすということは多いとか。



かつてO九段対R九段の棋聖戦で、ダメツメでアタリになって、打ち上げる、という事件も、O九段が大人げないというより、それまでの過程でR九段が再三置きなおしをすることに腹を立てて、「僕は終局なんて言っていない」と待ったを許さなかったというのが本音だとか聞いたことがあります。







最も有名なのは昭和62年の名人戦、加藤名人対林海峯九段における二手打ち事件です。林九段が打ったところで夕食休憩となり、再開後続けて林九段が打ち反則負けとなりました。不思議なのは林九段の二手打ちに対して加藤名人が間髪を入れずに着手したことです。相手の二手打ちに気付かなかったのです。如何に二人が異常な精神状態で戦っていたかがわかります。

劫立てせずに劫を取り返した例は枚挙に暇が無いほど有ります。他には取れない石を取った、逆に取れる石を打ち上げなかったなど。時間切れについては加田九段の例があります。詰碁の第一人者たるこの方はかなり気難しい先生だったらしく、55秒、6、7、8、まで読まれてからお茶を飲むのが趣味でした。ある時時間切れを宣告され、「私は9を聞いてから0.3秒で打てるので、時間切れなど有り得ない」と頑張りました。記録の女の子は泣き出しました。隣で対局中の高川秀格本因坊が「早撃ちガンマンじゃ有るまいし…」とジョークをとばしてやや雰囲気が和らぎました。

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